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『孫子』(そんし)は、中国春秋時代の思想家孫武の作とされる兵法書。後に武経七書の一つに数えられている。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つである。 『孫子』の成立以前は、戦争の勝敗は天運に左右されるという考え方が強かった(尉繚子 天官編、李衛公問対 陰陽術数編を参照)。孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為によることを知り、勝利を得るための指針を理論化して、本書で後世に残そうとした。 著者とされる孫武は、紀元前500年ごろの人物で、当時新興国であった呉に仕え、その勢力拡大に大いに貢献した。『孫子』も紀元前5世紀中頃から紀元前4世紀中頃あたりに著されたとされる。 しかし、『孫子』の著者が本当に孫武であるのかや、『孫子』という書物の成立時期においては諸説ある。 孫武の子孫といわれ、斉に仕えた孫臏も兵法書を著しており、かつては『孫子』の著者は孫臏であるとの説もあった。また『漢書』芸文志・兵権謀家類においては、孫武のものを『呉孫子兵法』82巻・図9巻、孫臏のものを『斉孫子兵法』89巻・図4巻と記し、両書はそれぞれ異なる著作であると見なされている。本記事では、このうち前者について解説する(孫臏の書については孫臏兵法を参照)。 ==構成== 以下の13篇からなる。 *計篇 - 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について述べる。 *作戦篇 - 戦争準備計画について述べる。 *謀攻篇 - 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について述べる。 *形篇 - 攻撃と守備それぞれの態勢について述べる。 *勢篇 - 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べる。 *虚実篇 - 戦争においていかに主導性を発揮するかについて述べる。 *軍争篇 - 敵軍の機先を如何に制するかについて述べる。 *九変篇 - 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べる。 *行軍篇 - 軍を進める上での注意事項について述べる。 *地形篇 - 地形によって戦術を変更することを説く。 *九地篇 - 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説く。 *火攻篇 - 火攻め戦術について述べる。 *用間篇 - 「間」とは間諜を指す。すなわちスパイ。敵情偵察の重要性を説く。 現存する『孫子』は以上からなるが、底本によって順番やタイトルが異なる。 上記の篇名とその順序は、1972年に中国山東省臨沂県銀雀山の前漢時代の墓から出土した竹簡に記されたもの(以下『竹簡孫子』)を元に、 竹簡で欠落しているものを『宋本十一家注孫子』によって補ったものである。 『竹簡孫子』のほうが原型に近いと考えられており、 『竹簡孫子』とそれ以外とでは、用間篇と火攻篇、虚実(実虚)篇と軍争篇が入れ替わっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「孫子 (書物)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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